この記事では大学時代にウルドゥー語を学び研究に使用してきた筆者が、ウルドゥー語のおすすめ辞書を日本語・英語・ウルドゥー語別に紹介します!
ウルドゥー語独学に辞書は必要?段階別の必要度で解説!
2050年にはヨーロッパ諸言語に代わって中国語、ウルドゥー語/ヒンディー語、アラビア語などの現在、マイナー言語と言われるような外国語がメジャーになると言われています。
※ヒンディー語とウルドゥー語は話し言葉がほぼ同じなので同言語としてカウントされている
ここではウルドゥー語独学において辞書は必要か?
初級者・中級者・上級者の観点で解説しました!
初級者
まず初級者から。
結論から言いますと「あっても良いが基本的に不要」になります。
理由は次の3つです。
1.辞書を引く時間が勿体無い
2.単語ノート作りの効率が非常に悪い
3.重要な意味がどれか判断ができない
1についてですが、ウルドゥー語初学者の方はアラビア語やペルシア語などを学んだ方以外は基本的に文字に慣れていません。
その段階で辞書を引くのはかなり時間がかかります。
単語を覚える・文章を読む、など勉強らしい勉強はできずほとんど辞書を引くという手の筋トレをしただけで膨大な時間が過ぎた…いい加減にしろよという事態にどハマりします。
もちろん、辞書を引くこと自体は全く否定していません。あくまで初心者には効率が悪すぎるということです。
2について、リアルな勉強のシーンを考えた場合、文章を読みながら新出単語をノートにメモしますが…
初心者の場合、同じ単語を何度もメモする羽目になります。
もちろん、それが力にもなりますが…だったら教材に出てくる単語を何度も見返した方が圧倒的に単語力がつきます。
また、これが一番致命的なのですが…
初心者の場合、基本的に字が汚いためノートを取っても復習するモチベが激減します。
慣れないアラビア文字で書いた文字通り暗号のような単語より、教材の綺麗な字を見た方が頭に残ります。
3についてですが、初心者は辞書を見ても重要な意味や自分が覚えるべき意味をピックアップできないため、辞書の丸写し簡易版のメモを取ることになります。
特にウルドゥー語の辞書は偉大な研究者の方がこれまでメディア・文学・研究所・歴史書で出会った意味を1語の意味解説にふんだんに盛り込んでます(上級者にとってはこれがめちゃくちゃありがたい)。
見返して全部の意味を覚えることができるわけもなく…煩雑なルーズリーフを見て「はあ」とため息をつく羽目になります。
だったら、教材にだけ出てきた意味だけに絞って覚える、こっちの方が効率が良くなります。
なので、初心者は辞書は買っても良いですが見てもほとんど意味がないので教材に出てきた意味をまず覚えましょう。
「少年」「犬」「先生」「水」こんな簡単な単語を覚えるのに重たい辞書を開いて筋トレする必要はありません!
中級者
次にウルドゥー語独学中級者の辞書の必要性について。
結論から言うと「日本語or英語の辞書が必要」になります。
まず、中級者の定義ですが、基本文法と基本語彙をマスターした方。
簡単な文章ならすんなり読める方が対象になります。
目安としてはBBCウルドゥーの記事でなんとなく意味が理解できる方。
BBCウルドゥーは外国語大学の2年生、つまり初〜中級クラスの教材に用いられたりします。
腕試しに読んでみてください。
中級者の学習で肝になるのが次の二つです。
・基本単語における多義語の暗記
・基本慣用句やコロケーションの暗記
これは辞書がないと勉強することができませんので辞書が必要になります。
上級者
最後に上級者の方。
これは言わずもがな「原語の辞書が必要」になります。
上級者になると文学や研究書などを読むことになります。
しかし、こういった上級書を読むと必ず辞書の意味をいくら見ても意味が分からない単語やコロケーションが出てきます。
この段階で必要なのはその単語が持つ概念を理解することになります。
単語の概念を理解して単語を広く深く解釈することが必要です。
そこで役に立つのが原語辞書、つまりウルドゥー・ウルドゥー辞書です。
原語辞書には様々な単語をウルドゥー語で解説していますし、日本語には載っていないような用語や慣用句まで載っています。
全ての意味や慣用句などを確認・比較し、その単語が持つ概念を理解することが上級者には必要になってきます。
ウルドゥー語のおすすめの辞書は?日本語・英語・ウルドゥー語5選を紹介!
さて、それではウルドゥー語独学においてどんな辞書が必要なのでしょうか?
ここではおすすめのウルドゥー語辞書をまとめました!
初心者
前述の通り基本的に不要ですが、持っておきたい人は簡易なものを購入しましょう。
おすすめ次の二つ
ウルドゥー語基礎1500語

引用元:Amazon
基礎語彙に絞って収録した単語帳。
著者の鈴木斌先生は「基礎ウルドゥー語」の著者でもあるので信頼できます。
ウルドゥー語常用6000語

引用元:Amazon
同じく鈴木斌先生によるボリュームアップ版。
価格は高いですがかなりの語彙が収録されており筆者はこれを全部覚えるべくボロボロに使い倒しました。
中級者
中級者に必要なのは以下の2冊。
ウルドゥー語辞典

引用元:Amazon
日本語でNo.1の辞書になります。
収録語数は44500。語彙も意味も凄まじいくらい詳しく解説されています。
上級者でも使える最高の辞書。
値段が財布超えて通帳クラッシャーなのが唯一のマイナスポイント。
えぐいて。
上級者
上級者の方は前述の通り原著。
Ilmi Urdu Lughat (Jame)

筆者はパキスタンのオンラインブックストアから取り寄せました。
大学の図書館にも入っているところはあるので見つけたら借りてみましょう。
先ほどの「ウルドゥー語辞典」よりも分厚い。筋トレ捗る。
もちろん、上級者の辞書として「ウルドゥー語辞典」も十分役に立ちます。
あくまで上級者として持っておきたい辞書として紹介しました。
番外編〜英語辞書「A dictionary of Urdu, classical Hindi, and English」
番外編ですが、英語でも素晴らしい辞書が存在します。
それが19世紀後半に作られた「A dictionary of Urdu, classical Hindi, and English」
こちらは英語の辞書で、全2冊と同じく分厚く凄まじい語彙が収録されています。
さらに、各単語にアラビア語の語源(語根と意味)も記載されており勉強がめちゃくちゃ捗ります。
(語源が載っていると単語が覚えやすくなるわけです。)
ハードカバー書籍

引用元:Amazon
※2022年12月現在
「ウルドゥー語辞典」「Ilmi Urdu Lughat (Jame)」を入手することができない人はこちらを購入してみるのも良いかもしれません。
ただ、値段が高い。
サイト
「結局、どの辞書も高すぎ!」
そんな人にとっておきのサイトがあります。
サイト「まんどぅーかのウルドゥー語/ヒンディー語ページ」にこちらのWEB版が搭載されています!
「A dictionary of Urdu, classical Hindi, and English」WEB版はこちらになります。
https://www.manduuka.net/urdu/dic/pldic.htm
文字を打ち込むと該当ページが表示されます。
画面も大きいのでかなり見やすいです。
どの辞書も購入することができない方は、ひとまずこちらを使用してみましょう。
(というか、筆者はかなりこのWEB版にお世話になりました。)
まとめ
この記事では学生時代にウルドゥー語を学習した筆者が独自の視点で「初級者・中級者・上級者、段階別ウルドゥー語辞書の必要性」と「おすすめのウルドゥー語辞書ー日本語・英語・ウルドゥー語ー」をまとめました。
それぞれのレベルにこれらの辞書が必要な理由などについては以下に記事で解説しておりますので気になる方はチェックしてみてください。
これからウルドゥー語辞書を買おうと検討している方のお役に立てば幸いです。